代表挨拶
- 領域代表
- 岡ノ谷 一夫
(東京大学大学院総合文化研究科)
本領域は二つの目的をもつ。
まず、言語の起源と進化について、言語理論・生物進化・人類進化・個体発生の研究成果に整合するシナリオを作ると共に、その妥当性を数理モデルやシミュレーション、ロボット実装により構成論的に検討する。
次に、そのシナリオにもとづきコミュニケーションの未来と人類の存続のあり方を提言する。
これらを通じて文理を超克した新たな人間科学としての「共創言語進化学」の創成を目指す。
言語は人類が個人を超えた知を結集し文明を作ることを可能にした画期的なテクノロジーである。現在人類は、言語と情報技術を基盤とした新しいコミュニケーションを創出しようとしている段階にある。言語の起源と進化を知ることで、未来のコミュニケーションのあり方をデザインできると私たちは考える。グローバル化によって生ずる国際的軋轢、情報利用の格差によって生ずる幸福格差、急激に変化するコミュニケーション様式への適応障害等、現在起こっている問題の解法を提言すると共に、人間性の本質と可能性について理解を深化させる。
共創言語進化学とは
- 「階層性」と「意図共有」を2つの柱として、
これらの融合としての⾔語進化(共創言語進化)のメカニズムを解明 - コミュニケーションの未来と人類の存続のあり⽅を提言
このような研究を推進する分野統合的な領域である「共創言語進化学」を構築・確立することが、本プロジェクトの目的です
言語進化学
言語がどのような生物学的な適応のもとに、いつごろ始まり、どのようなメカニズムを経て現在の形になり、さらに将来どのように変化して行くのかを解明する学問